お父さんはリビングと続いている和室で、
部屋着に着替えていた。
私はお母さんを手伝おうと、
キッチンに行った。
「いい子ね・・拓人くん」
お母さんが、肘で私をつついてきた。
「うん」
お母さんと一緒に、山のような唐揚げを運んで、
テーブルにご飯の準備をした。
お父さんはキッチンに入り冷蔵庫を開けた。
「なんだ?この箱?」
そうつぶやきながらビールを取って、椅子に座った。
その時、拓人がリビングに戻ってきた。
「そこに、座ればいい」
お父さんは、自分の向かい側の椅子を拓人に勧めた。
拓人が座ると、私はその隣に座り、
お母さんはお父さんの隣に座った。
いつも4人掛けの椅子のひとつが空いていたから、
今日は、全部の椅子が埋まって変な感覚だった。
「遠慮なくどんどん食べなさい」
お父さんは、ビールをぐーっと飲んだ。
「いただきます」
「どうぞ~。あ、お家は大丈夫?」
拓人は、お箸を持って頷いた。
「大丈夫です。連絡しておいたので」
「そう、じゃあたくさん食べてね」
拓人は、ゆっくりと食べ始めた。
「拓人くんは、進路はどう考えているんだ?」



