「私、大切にしてもらってるよ?
泊まることとは、関係ないじゃん」
拓人は私の頭から手を離した。
「泊まるっていうことは、
つまり・・その・・・
そういうことを連想させるだろ?
お父さんを不安にさせるようなことを
俺はしたくない。
俺は、大切にしたいんだ。
花音のことも、花音の家族のことも」
泊まる計画がなくなってしまったけど、
拓人のこの思いを聞いて、
私は、すごく嬉しかった。
嬉しかった反面、すごく自分が恥ずかしくなった。
拓人は、私の家族のことも
大切に思っていてくれたのに、
そんなこともわからなくて・・・
「拓人・・・ありがとう
ごめんなさい」
拓人は携帯を出した。
「夕飯いらねーって親にメールしとくよ」
「うん、じゃあ・・終わったら来てね」
私は玄関に拓人を残して、
リビングへと入った。



