「1/4の奇跡」左側の君に【完】







お父さんは、黙ってスリッパを履いて、


頭を下げた拓人の横を通り過ぎた。





そして、リビングのドアを開けた。





「ご飯にするぞ。



拓人くんも食べていきなさい」






そう言ってお父さんは中に入っていった。






お母さんは拓人の肩をポンと叩いた。



「唐揚げいっぱい作っちゃったから、


食べてくれないと困るのよ。



ね。食べてって」





お母さんもリビングに行ってしまった。






私は拓人のジャケットの裾を掴んだ。




「どうして・・



どうして?拓人は何も悪くないのに・・・


どうして謝ったりしたの?


私と詩織たちで勝手に決めちゃったことなのに。


なんで拓人が謝らなくちゃいけないの・・・




それに・・・






私、拓人と泊まりたかった。



この計画を、実行させたかったのに・・・」








拓人は、私の頭を撫でた。




「【大切にします】ってお父さんと約束したから。




俺は、約束を守りたい」