「1/4の奇跡」左側の君に【完】






ソファーの前のローテーブルにお茶を二つ置いた時、

家の脇にある駐車場から、車の音がしてきた。



「お父さん、帰ってきた」




そう拓人に言うと、拓人は立ち上がった。



「え。大丈夫だよ、座ってて」





「いや、俺玄関行くわ」




拓人は私の静止も聞かずに、リビングから出て行ってしまった。



しかたなく私もついて行くと、


カチャっと玄関の扉が開いた。






「おじゃましてます」




お父さんが「ただいま」を言う前に拓人が頭を下げた。







お父さんは扉を開けた状態で固まってしまった。




「さあさあ!ご飯にしましょう!」





重たい空気の中、お母さんのお気楽な声が響いた。










拓人はまたさらに深く頭を下げた。






「あの・・・ほんとすみませんでした。



天文台に泊まるとか・・そんな話をして。



本当に、すみません」




扉を閉めて玄関の中に入ったお父さんに、


拓人は早速謝った。




お父さんはそのまま拓人を見つめていた。





「友達の彼氏とかも一緒に泊まるっていう話だったみたいなので、




俺・・・




ちゃんと、そんなことはできないって話します。




本当にすみませんでした」