ソファーの前のローテーブルにお茶を二つ置いた時、
家の脇にある駐車場から、車の音がしてきた。
「お父さん、帰ってきた」
そう拓人に言うと、拓人は立ち上がった。
「え。大丈夫だよ、座ってて」
「いや、俺玄関行くわ」
拓人は私の静止も聞かずに、リビングから出て行ってしまった。
しかたなく私もついて行くと、
カチャっと玄関の扉が開いた。
「おじゃましてます」
お父さんが「ただいま」を言う前に拓人が頭を下げた。
お父さんは扉を開けた状態で固まってしまった。
「さあさあ!ご飯にしましょう!」
重たい空気の中、お母さんのお気楽な声が響いた。
拓人はまたさらに深く頭を下げた。
「あの・・・ほんとすみませんでした。
天文台に泊まるとか・・そんな話をして。
本当に、すみません」
扉を閉めて玄関の中に入ったお父さんに、
拓人は早速謝った。
お父さんはそのまま拓人を見つめていた。
「友達の彼氏とかも一緒に泊まるっていう話だったみたいなので、
俺・・・
ちゃんと、そんなことはできないって話します。
本当にすみませんでした」



