次の日の休み時間、詩織が私の席に来た。
「お父さん、どうだった?泊まれそう?」
ちょうど隣の席の子がいなかったから、詩織はそこに座った。
「それが・・・
うちのお父さんって結構うるさくて。
詩織の親は大丈夫なの?」
「うちは大丈夫。
友達の家に泊まるとか言って、今までも何回か・・・ね。ほら・・・ね?」
・・・ね?
私は首を傾げた。
「だから!」
詩織が手招きしたから、座ったまま耳を寄せた。
詩織が耳元で囁いた。
「・・・えっちしてるんだってば・・・」
「わあああ!!」
しー!っと私の口を詩織が抑えた。
前の席で顔を伏せていた拓人が、むっくり顔を上げた。
「何やってんだ?」
「そっか。和泉とはまだだったのか」
「はあ?」
拓人は頬杖をついた。
やっと詩織が口から手を離してくれたから、私はふぅっと深呼吸した。
「花音だってそういう時がくるって」



