「1/4の奇跡」左側の君に【完】




次の日の休み時間、詩織が私の席に来た。


「お父さん、どうだった?泊まれそう?」



ちょうど隣の席の子がいなかったから、詩織はそこに座った。


「それが・・・

うちのお父さんって結構うるさくて。


詩織の親は大丈夫なの?」


「うちは大丈夫。

友達の家に泊まるとか言って、今までも何回か・・・ね。ほら・・・ね?」



・・・ね?


私は首を傾げた。



「だから!」


詩織が手招きしたから、座ったまま耳を寄せた。

詩織が耳元で囁いた。


「・・・えっちしてるんだってば・・・」


「わあああ!!」




しー!っと私の口を詩織が抑えた。




前の席で顔を伏せていた拓人が、むっくり顔を上げた。



「何やってんだ?」


「そっか。和泉とはまだだったのか」



「はあ?」


拓人は頬杖をついた。




やっと詩織が口から手を離してくれたから、私はふぅっと深呼吸した。



「花音だってそういう時がくるって」