「1/4の奇跡」左側の君に【完】






「そんなことって・・



私にとっては、拓人のそばにいられることって、


大事なことなんだよ・・


拓人は?


私と違う校舎でさみしいとか、会いたいとか・・



そんな風に思ってくれないの?」




私・・・何言ってるんだろう・・




言いたくなかった言葉をどうして言っちゃったの・・




「ごめん・・私・・・


嫌なこと言ったかも・・・ごめん」




拓人はそのまま、じっと私を見つめていた。




「花音は、小さい頃何になりたかった?」




意外な言葉を返してきたから、私は少し戸惑った。




「ち・・小さい頃?」




拓人は頷いた。





「私は・・・お父さんみたいに、


何か宇宙に関わる仕事がしたいって思ってた」



「なんで?」




・・・なんでって・・・






「星が・・・好きだから」



「その夢は今まで変わったことがあるのか?」






今まで私はずっと・・・




「・・・ない」




その言葉を聞いて、真剣な表情だった拓人の顔が


ふっと緩んだ。






「理数にいけ・・花音」