「そんなことって・・
私にとっては、拓人のそばにいられることって、
大事なことなんだよ・・
拓人は?
私と違う校舎でさみしいとか、会いたいとか・・
そんな風に思ってくれないの?」
私・・・何言ってるんだろう・・
言いたくなかった言葉をどうして言っちゃったの・・
「ごめん・・私・・・
嫌なこと言ったかも・・・ごめん」
拓人はそのまま、じっと私を見つめていた。
「花音は、小さい頃何になりたかった?」
意外な言葉を返してきたから、私は少し戸惑った。
「ち・・小さい頃?」
拓人は頷いた。
「私は・・・お父さんみたいに、
何か宇宙に関わる仕事がしたいって思ってた」
「なんで?」
・・・なんでって・・・
「星が・・・好きだから」
「その夢は今まで変わったことがあるのか?」
今まで私はずっと・・・
「・・・ない」
その言葉を聞いて、真剣な表情だった拓人の顔が
ふっと緩んだ。
「理数にいけ・・花音」



