こんなに好きになって、
どうしよう・・って思った。
それからバスに乗った時も、
電車に乗った時も、
隣から覗き込んだ拓人の顔を見ると、
自分は熱があるんじゃないかと思うぐらい、
ドキドキして、顔が火照って・・・
つないだ拓人の左手は、
ごつごつとしていて、大きくて・・
絡まる二人の指を見ているだけで、
幸せを感じていた。
次の駅が私の降りる駅になった時、
出かける前のお母さんの言葉を思い出した。
「そうだ・・お母さんが、
拓人も一緒に夕御飯食べないかって。
もし、時間大丈夫だったら、
うちに食べにこない?」
拓人は少し俯いてしまった。
「今日はやめておくよ」