「1/4の奇跡」左側の君に【完】





広場を少し歩いて、ベンチに腰掛け、

建物の方を見た。



夕焼け・・・




ここから見る星空は綺麗なんだよな・・・



街の明かりが届かないから、


空の暗さが濃い。






特に冬は空気が澄んでいるし

今日は雲がほとんどない・・・




月はどうだろう・・


月明かりが少なければ、

もっと空が真っ暗になる・・




ちょっと空を仰いでいたら、



科学館と天文台をつないでいる通路を、


拓人が天文台の方へ歩いていくのが見えた。





・・・拓人?







天文台に何しに行ったんだろう?



まさかまたお父さんに・・・





そう思ったら、


今度はお父さんと二人で


科学館の方へ歩いていくのが見えた。




・・・何しているの?






不思議に思いながらも、

しばらく空をながめながら拓人を待った。






そして夕焼けの色が濃くなり始めた時、


拓人が科学館から出てきた。