広場を少し歩いて、ベンチに腰掛け、
建物の方を見た。
夕焼け・・・
ここから見る星空は綺麗なんだよな・・・
街の明かりが届かないから、
空の暗さが濃い。
特に冬は空気が澄んでいるし
今日は雲がほとんどない・・・
月はどうだろう・・
月明かりが少なければ、
もっと空が真っ暗になる・・
ちょっと空を仰いでいたら、
科学館と天文台をつないでいる通路を、
拓人が天文台の方へ歩いていくのが見えた。
・・・拓人?
天文台に何しに行ったんだろう?
まさかまたお父さんに・・・
そう思ったら、
今度はお父さんと二人で
科学館の方へ歩いていくのが見えた。
・・・何しているの?
不思議に思いながらも、
しばらく空をながめながら拓人を待った。
そして夕焼けの色が濃くなり始めた時、
拓人が科学館から出てきた。



