「1/4の奇跡」左側の君に【完】





プラネタリウムと科学館の建物の方へ、

つながっている通路を今度は逆方向へ歩いた。



「花音のお父さんはすごい人なんだな・・」





隣で歩いている拓人がポツリとつぶやいた。



「そうかな・・


なんか・・ごめんね拓人」



拓人は通路の途中で立ち止まった。


「なんで謝る?」



「だってお父さんが・・




あんなに長く語るとは思わなかった」





拓人は、あははっと笑った。



「俺はうれしかったけどな。


ちょっとは、認めてくれたのかなって。


俺も、天文学ってあんなにおもしろいものだとは

知らなかったから。


本当はもっと詳しく聞きたかったよ」



え。


えーー???



「あれ以上長く?」


「うん。全然足らないよ」



足りないの?



まあ・・宇宙は果てしないからね・・・





「よかった・・拓人がプラスに捉えてくれる人で」




「はあ?」と拓人は笑って、


科学館の方へ歩き出した。