プラネタリウムと科学館の建物の方へ、
つながっている通路を今度は逆方向へ歩いた。
「花音のお父さんはすごい人なんだな・・」
隣で歩いている拓人がポツリとつぶやいた。
「そうかな・・
なんか・・ごめんね拓人」
拓人は通路の途中で立ち止まった。
「なんで謝る?」
「だってお父さんが・・
あんなに長く語るとは思わなかった」
拓人は、あははっと笑った。
「俺はうれしかったけどな。
ちょっとは、認めてくれたのかなって。
俺も、天文学ってあんなにおもしろいものだとは
知らなかったから。
本当はもっと詳しく聞きたかったよ」
え。
えーー???
「あれ以上長く?」
「うん。全然足らないよ」
足りないの?
まあ・・宇宙は果てしないからね・・・
「よかった・・拓人がプラスに捉えてくれる人で」
「はあ?」と拓人は笑って、
科学館の方へ歩き出した。



