「1/4の奇跡」左側の君に【完】







「ちょっ・・語らせろ!

これは人類にとって大切なことなんだ!」





・・・はあ?




「人類って。。。お父さん。。。


天文に興味があるならまだしも、

拓人は・・・」




「興味ないのか?」


お父さんに凄まれて、拓人は一瞬息を飲んだ。




「・・・あ・・・いや・・




興味・・あります」




お父さんは「よし!」と頷いた。



「お父さん、言わせてる感たっぷりだよ。。。



拓人もはっきり断っていいんだよ?そんな無理しなくても・・」



拓人は、はしごから降りた。


「興味があるというか、


学校の授業でやった以上のことは全然知らなかったから、


すごく深いところまで聞けておもしろいよ」



その言葉を聞いたお父さんは


「よしよし。そうだろうとも」と頷いて、


また、語り始めてしまった。





また始まったお父さんのうんちくを、


拓人は興味深く、うんうんと頷いて聞いていた。



そして質問なんかもし始めて、

お父さんはその質問に得意げになって答えていた。




私は、お父さんの天文うんちくを


小さい頃から何度も聞かされてきたから、


一緒に聞くのはやめて、



少し離れたところにある椅子に腰掛けて、


二人の様子を眺めることにした。





しばらく眺めていたら、

最初険しい表情だったお父さんの顔が、

いつもの優しいお父さんの顔に戻っていた。



そして、拓人は、


最初緊張して強ばっていた顔が、


時々笑顔も見せるようになっていた。




・・・なんだろうこの気持ち・・・






その時、真壁さんが天文台に入ってきた。