「1/4の奇跡」左側の君に【完】





プラネタリウムの中は、

家族連れやカップルが、


何組かすでに、後ろの見えやすい席に座っていた。



後ろは諦めて、その少し前の椅子に拓人と座って

少し背もたれを倒した。




最初40分間は探査機の映画、


その後20分は今日の星空解説




拓人は真剣な表情で、上を見上げていた。


特に星空解説は、


満天の星空と、


優しい口調での解説、


オルゴールのBGMだから


興味がない場合は、かなり眠くなると思う。



拓人も寝てしまうんじゃないかと、



時々、ちらっちらっと拓人の顔を覗いていたけど、



ずっと拓人は真剣に見ていてくれた。







ちゃんと見てくれているんだ・・・






自分の好きなものを

好きな人が真剣に見てくれるって


本当に嬉しい・・・






真っ暗な夜空から日の出の時間の設定となり、


淡い光がぼんやりとついて、



解説が終わった。




BGMはそのまま流れていて、


たまたま私の好きな歌を、


オルゴールでアレンジしたものだったから、


「この歌・・私好きなんだ」って言ったら、



拓人は、「えっ・・」とすごく驚いていた。




「もしかして、拓人も好き?」





偶然同じでびっくりしたのかも!と嬉しくなって、

そう聞いたら、



「なんて歌?」って聞いてきたから、がっかり。。。




「○○○って歌・・知らない?」




「・・・・・」



・・・この反応は知らないな・・・



「今度CD貸すね」