3階へと階段を昇った。
昇っている最中、拓人がずっと無言だったから、
もしかして、
お父さんのことを黙っていたから怒っちゃったのかなって
不安になった。
「ごめんね。お父さんのこと言わなくて」
3階に着いた時、拓人の前に立って謝った。
怒っているのかと思っていたら、
拓人は吹き出して笑った。
「すっげー緊張した!
あ。これからもっと緊張すんだよな、俺」
目の前で笑う拓人の笑顔が、
屈託のないその笑顔が、
本当に愛おしくて、
お父さんの職場だけど、我慢できなくて、
拓人の胸におでこを当てた。
「好きだよ・・拓人」
拓人は私の頭を撫でた。
「ほら、始まるから・・行くぞ」
私が顔を上げると、
目をそらして・・・
プラネタリウムの入口へと、
手を引いてくれた。



