一時間に1本しかないバスにも、
運良くすんなりと乗れて、
森の下の停留所で降りた。
「ここ?」
落ち葉で敷き詰められた森の入口を見つめて拓人が言った。
「この森の中の細い道の先にあるの」
「そっか」
二人で落ち葉を踏みながら歩き出した。
「ほら・・このクシャって音。好きじゃない?」
私はわざと落ち葉が溜まっているところを踏んで見せた。
拓人も落ち葉を踏んだ。
拓人は一瞬眉間にしわを寄せた。
そして、また落ち葉を踏んだ。
また
また・・・・
拓人は何度も踏んでいた。
そして、ふっと笑って立ち止まった。
「俺には・・・わかんねーや」
ははっと笑って私の手を繋いできた。
・・・そっか。
星は好きだといいな・・・
そう思っていたら、
少し広いところに出て、
屋根がドーム型の建物が見えてきた。



