「1/4の奇跡」左側の君に【完】






一時間に1本しかないバスにも、

運良くすんなりと乗れて、




森の下の停留所で降りた。




「ここ?」




落ち葉で敷き詰められた森の入口を見つめて拓人が言った。




「この森の中の細い道の先にあるの」




「そっか」



二人で落ち葉を踏みながら歩き出した。




「ほら・・このクシャって音。好きじゃない?」





私はわざと落ち葉が溜まっているところを踏んで見せた。




拓人も落ち葉を踏んだ。





拓人は一瞬眉間にしわを寄せた。




そして、また落ち葉を踏んだ。




また




また・・・・





拓人は何度も踏んでいた。





そして、ふっと笑って立ち止まった。





「俺には・・・わかんねーや」







ははっと笑って私の手を繋いできた。






・・・そっか。




星は好きだといいな・・・







そう思っていたら、


少し広いところに出て、





屋根がドーム型の建物が見えてきた。