「お? 無言ってことはファーストキスもいくか?」 「絶対いかない。サヨウナラ。」 コイツはいつもそうだ。 私が素直に感謝しようとしたら、結局はこういうことなんだ。 他の女子にもするくせに… 分かっていても少しだけ期待してしまう自分が居る。 ここまで思っていても私は弥生を好きだとは認めない。 だけど当分は距離を置かないと…… 頭の中の警報サインには従うべきだ。 私は一人、甘いゼリーの味が残る唇をギュッと噛んだ。