「沙羅さん!!」 店を出ると何故か走って行ったはずの沙羅さんが居た。 「あ……南…」 「沙羅さん、あのですね。」 どうしたんだろ? 何でこんな南は急いでるの? 「…僕が言うのは間違ってると思うんですけど、実はですね―――」 私は全て聞かされた。 弥生の気持ちも 今夜日本を発つことも 南の説得に嫌気をさした弥生はすでにタクシーで空港へ向かってしまったことも。 どうやら私とはすれ違いになったみたいだ。