「バーカ。
――あんな笑顔で幸せそうに大好きなんて言われたら、何も言えないだろ。」
――あぁ、弥生君。
本当に弥生君はバカだ。
「――それでも言うべきですよ。」
「おい。南。
変な気起こすなよ?
俺は今日の夜には帰るんだ。そんな奴の気持ちなんか伝えても何にもならねぇんだぞ?」
――弥生君、それじゃダメなんだ。
君がバカなら。
「――僕もバカなんです。
だから、弥生君が何を言ってるか分かりません。」
沙羅さんに、言わなきゃ。
弥生君の気持ち。
弥生君は沙羅さんの笑顔だけを一途に想える優しい人なんだって。


