簡単に言えば惚気話になるソレを。 想い人から聞くなんて。苦痛でしかないのではないだろうか? 「嫌じゃないですよ。 ソレを聞かせてくれないと、僕何しても振り向いてもらえないですから。」 「…………」 ――こんな押しの強い南、知らない。 「話してくれませんか?」 彼はもう一度言った。 私は少し銀のペンダントに触れゆっくりと語り出した。 弥生にもらったペンダントは服で隠しているから皆気づいていないが、あの日以来ずっと付けていた。