「弥生、前に私に聞いたよね?辛くないのかって……」 「…………」 俺はロコちゃんから腕をそっと離す。 「辛いに決まってるじゃない! …でも、一番辛いのは望みなんかないのにさっさとその状況を作ってくれない―事実を突きつけてくれない―ことが…一番辛い。」 新しい一歩が踏み出せないんだ。 どんな言葉を送ろうと。 俺の想いがあやふやだから。少しの可能性に夢見てしまう。 そんなこと分かってる。 「悪ぃな。 ロコちゃん、最後に一回付き合ってくれ。 …それで全部終わらせる。」