「沙羅。顔上げろ。」 なかなか上げない私に弥生は痺れを切らして手でぐいっと強制的に持ち上げてきた。 「やよ――――…」 一瞬の後。 「よく出来たな。 俺からのご褒美だ。」 私の唇には弥生の熱のこもった感触が残っていた。 「ほら、今度は長くしてやるから次はきちんと目、閉じろよ。」 私が目を閉じたすぐ後、弥生の唇が触れたのだった。