「沙羅さん、僕の手。 汗ばんでて気持ち悪くないですか?」 「……手にはふれるな。」 私だって初めてなのだ。 …あまり意識されると恥ずかしい。自分も意識してしまうから。 「ふれるな…って…やっぱり嫌な程汗ばんでるんですか!?」 …面倒くさい。 「阿呆。 話題に出すなって意味だ。」 頼むから察して。 「あ……クフフ……」 分かったのか、分からないのかおかしな奴だ。 今度は急に笑い出した。