憎らしいほどの不遜の笑みに見下ろされ、煽られた。
その言葉通りに肌の上に甘く与えられた快楽は
まるで微弱な電流のピリピリとした緩い刺激のようで
絶頂までにあと少し足りない強さに焦れて狂いそうになる。
とても喋るどころではない。口をついてでるのは
言葉にならない喘ぎだけだった。
「…あぁっ……やン…」
艶かしく上がってしまう嬌声は演技じゃない。
これまでは感じているフリをして、声を上げたこともある。
正直に言うとセックスがそれほど良いとは思ったことがなかった。
でも今は違う。
ゾクゾクと鳥肌が立つ感覚も、身体の奥深くが疼く感覚も
泣きたくなるほど気持ちが良くて、もっともっと感じたいと貪欲になる。
「お願い…もう……ん…」
「何だ?」
「お願ぃ」
「だから?」
こんなのは拷問だ。すぐ足元にまで寄せている快感の波に
触れそうで触れさせないなんて、なんて酷い男だろう。
腕の中の女の身体を身悶えさせて苦悶の表情で切なく乞わせて・・・
やっぱり女を甚振って楽しむ部類の男なのだ。
「ちゃんとして…お願い……してぇ…」
勝ち誇ったように満足そうな笑みを浮かべた瞳が近づいて意地悪く問う。
「そんなに俺とシたいか?」
彼の瞳を見て漠然と思う。
その問いに素直に頷いたら、この人は萎えてしまうだろう、と。
望んでいるのは自分の強さに対抗する強情さだ。
簡単に屈してしまう脆さや従順さはこの男にとって
飽きるほどつまらないものなのだろう。
だから答える代わりに彼の首に腕を回して引き寄せて
その傲慢な唇を噛み付くようにキスで塞いで
乱暴に差し入れた舌で口内を縦横無尽に荒らした。
――― 焦らされて悶える私の思いを思い知れ ―――
彼の喉の奥で笑った気配がした。刹那 放した唇の上で
「上等だ」と囁かれたその後のキスは、あっさり主導権を取られて
私から仕掛けたそれが子供の遊びだとでも言わんばかりに
深く濃く淫らになった。望んだとおりの彼の強さと熱さに翻弄される。
時間も意識の在処すらも分からなくなるほどに。

