「寝てた?」 「いや。早く乗れ」 健吾にそう言われあたしは後ろに乗り、バイクが発進した。 「やっぱり、健吾ん家の方があたしは良いみたい」 「……………」 バイクの音と風の音で返事をしない健吾は、多分聞こえてないみたい。 あたしは独り言のように、口を動かす。