「多田さん?」



葵が横に立つ



「うん」



「顔!

 にやけてるよ!」



「にやけてないよ!!」




そう言いつつ口角が
上がっていることを自覚する



「莉子《riko》は本当に
 多田さんが好きだね~」



「そんなんじゃないよ」




笑いながら本鈴と共に席に着く