「うーっみんなと会うのドキドキするね!」

梨花さんはずっと落ち着かない様子だった。


私は少し安心していた。
ネット上で知っている梨花さんと龍さんそのものだったから。

健太郎くんもそうだった。

きっと大丈夫。
私もいつもの私で過ごせば、何の問題もなく終わる。


「えーっと、ここじゃない?駅裏の居酒屋」

龍さんが指を差した先に、彼の姿があった。

「あ、本当だ。俊さん待ってますね!」

私は久しぶりに見た彼の姿に嬉しくなって、2人に言った。
あれだけ行きたくないと思っていたのに、遠くの彼を見ただけで私のテンションは上がった。

「え?どれが俊さん?」

2人が不思議そうな顔をした。


しまった…。
2人は彼と会ったこともないし、私が彼と会った事あるって知らないんだった。

「ビルの入口のところに立ってる人、あれ俊さんですよね?」

2人は目を凝らして、ビルの前に立っている人が誰なのか見ようとしていた。


「あーー!本当だ!俊さんだ!うっわ、カメラで見るのと変わんねぇっ!」

梨花さんが言った。