暫く抱き合った頃閉園の音楽が流れた



「じゃあ帰ろうか」

「はい」


ゆっくり歩き出す

だんだんと今日遊んだ乗り物達が離れていく長くて短い1日が終わっていく



「けんくん」

「はい」

「手、繋ごっか」



右手をけんくんの方へ出す



「………はい」


けんくんの左手が私の右手を包み込むように握られる

けんくんの温もりが右手から伝わる


恋人の証。
今日から私はけんくんのかのだから。



「けんくん」

「はい」


手を繋ぎながら話しかける



「ありがとう」







ちゅっ




背伸びしてけんくんの頬に顔を近づけた


けんくんは固まったまま動かない
そしてそのまま顔が赤くなる