年下くんの策略






ガコンッガコンッ




だんだんと近づいてくるゴンドラ
次々とカップルが乗り込んでいく


私が最後に私が乗りたかった物

それは観覧車だった


二人で静かに話せる場所と言ったらここしか思いつかなかった
それに綺麗な夜景も見れるしね

観覧車に乗ることはここに来る前から決めていたこと
ジェットコースター乗った時みたいにその場で決めたことではなかった


私は今日1日は今から話すことのために来たようなもの

だから観覧車に乗ることは絶対だったんだ



観覧車の列にならんでからけんくんと私の間には沈黙が続いている



きっとけんくんはなんで最後に観覧車に乗るのか分からないだろう
そしてそれを私に聞けないまま黙っている




「はい、では次のお客様どうぞ」


目の前でスタッフさんがゴンドラに私達を招き入れる


無言のまま入りお互い向かい合わせに座る


ゆっくりとゴンドラが動き出す