「あっ!次乗るのはけんくんが決めていいよっ!」


今まで私が乗りたいやつばっかだったから、次ぐらい譲らなきゃね!


「いや、大丈夫です。ゆいか先輩が決めていいですよ」

「えー…」



文化祭の時もそうだったけどけんくんは欲がないと思う

私が行きたいところしか行ってないし


でも私も特に乗りたいものないんだよねー
ジェットコースター系は乗り尽くしたし


ただ歩いていると目の前にお化け屋敷が見える



うわっお化け屋敷だっ
こういうとこのお化け屋敷ってリアルだし
本物が出そうで嫌なんだよね



「け、けんくんあっち行こう!」

「えっ」


けんくんの腕を引っ張ってお化け屋敷とは別の方向に行く

お化け屋敷は絶対行きたくないからね




「…………そういうことか」

「え?」


けんくんの声が聞こえたと思ったら急に立ち止まった


「けんくん?」

「ゆいか先輩、おれ行きたいとこありました


「えっ?どこどこ!?」


けんくんが行きたいなんて珍しい!
これは行かなければ!


「あれです」


けんくんが指を差す



その方向を辿っていくと



「え"っけんくんが行きたいとこって……」









「お化け屋敷です」





ま じ で か !?