「体調どうですか?」


けんくんが私の顔を覗き込む


「さっきよりは全然マシ。これ飲んだからかな」


と言ってストロベリークリームソーダを見せる

既に中身は半分以下
味が予想外に美味しい


帰りにもう一回買おうかな



「なら、良かったです」



なんて言ってくれるけんくん。

ああなんて良い子なんだろう
自分勝手な先輩にまで気遣ってくれるなんて

良くできた子だわ


ズズズーッとストロベリークリームソーダを吸い込む



これを飲み終わったらまた遊園地を回ろう

せっかく来たんだし遊びまくろう
それにけんくんにはっきり伝えるまでまだ時間はある
大丈夫だ。




ズズズーッズーッ

最後の一滴まで吸い込む



「ふぅーおいしかった!よし、けんくんそろそろ行こう!」


急に立ち上がった私をけんくんは見上げる


「もう体調はいいんですか?」

「うん!大丈夫っ!」


それに私の勝手な行動のせいでけんくんをつまらなくさせたくないし


「ならいいですけど…」


けんくんもゆっくり立った