でも結局私は頭を被り、学校の校門へ行って既に人はほとんどいなかったけど
たまたまいた男の子に声かけたんだ
……まさかあの男の子がけんくんだったなんて
あの頭は視界がすごく悪く、所々しか見えなかったからけんくんの顔はほとんど見えなくて
学ラン着てたなーってことしか覚えていなかった
「おれ、あの言葉に感動したんです。だからあの言葉を聞いて元気が出てきて、それから勉強頑張ったんです」
「ま、まじか」
あの言葉に感動したとか
けんくんは変わってるのかなんなのか。
それにけんくんに声かけたのは入試終わった時だからそれから勉強しても遅いよね、絶対。
「で、でもさ私、顔隠してたんだよ?よくわかったね」
「あ、はい。それ目印に探したんです」
けんくんは机の上にある私のリュックを指差した
「リュ、リュック?」
「それもありますけど、それについているストラップです」
確かに私のリュックにはストラップがついている。
少し大きめのブタのストラップ
お兄ちゃんから貰った物だ
それにこのストラップはこの世に一つしかなくてこれを持っている人は私だけだ
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