年下くんの策略



「そっそういえばなんでけんくんは私のこと知ってたの?」


ずっと疑問に思ってて、なかなか聞けなかったこと

紛らわすために質問する



「それは会ったことがあるからです」

「へ?そうなの?」

「おれがまだ中学生の頃です」

「?」


記憶の中を探ってみてもけんくんはいない
ましてや中学生のけんくんなんて知らない

中学生のけんくんってなんだか、想像できないし

無表情のせいか大人っぽいし



「ゆいか先輩と初めて会ったのはおれがこの高校の入試に来て、試験が終わった時でした。
おれは全然問題が分からなくて、絶対落ちると思いました。だからめちゃくちゃ落ち込んでいました。けどそんな時ゆいか先輩が現れたんです」


淡々と話すけんくん。


うちの高校入試の時?

あの日は確か私達は休みだったから学校には行ってなかったはず…


「ゆいか先輩はア○パンマンの被り物を被っておれに言ってくれました。


『少年よ、落ち込むではない。私には愛と勇気しか友達がいないんだ。
けれどな、支えてくれる奴はいっぱいいる。○ャムおじさんやバ○コさんに○ーズ、○ロンパンナちゃんなどいっぱいいる。
君にも支えてくれてる奴はいるはずだ。その奴のためにも落ち込んでいる暇はない、さあ立ち上がれ、少年よ』


と言って握手してくれました。」














……………………あ。