陽は既に落ちかかっていて、きれいなオレンジ色に周りを染め上げている
……けんくんに押し倒された日もこのぐらいのオレンジ色だった
あの時のけんくんの表情はいつもの無表情だった
けど、雰囲気が、言葉が真剣でドキドキせずにはいれなかった
だけどそのドキドキは男子に押し倒された影響もあったからなのか、それともけんくんだからなのか
私にもよくわからない
―――「でもさ、いい加減けんくんの気持ち知ってるんだったらはっきりさせたほうがいいよ」―――
―――――もうそろそろ決めなきゃいけないな
そのためには行動に出なきゃいけない
気持ちを明確にするために
「ゆいか先輩」
呼ばれた方を向くといつものけんくんが立っている
…………いや、いつもと違うな
、

