「ゆいか先輩は……」
押し倒されたままけんくんは私を見つめる
もちろんけんくんが上で、私が下
いつもよりけんくんの顔が近く、その顔は夕陽に照らされてオレンジ色がかっている
「おれのことどう思ってますか?」
「え……」
「ゆいか先輩の気持ちが知りたいです」
そ、それってどーゆう意味?
私の気持ち?
「けんくんはかっよくて素直でいい子だと思うよ?」
まぁちょっとバカ正直すぎるとこもあるけど
「違います。一人の男としてどう思ってるか知りたいんです」
「一人の、男?」
「はい。おれ、できる事はしました。ゆいか先輩にたくさん会いに行って、話して、気持ち伝えて。だからもうそろそろゆいか先輩の気持ちが知りたいです」
オレンジ色に染まる顔はいつもの無表情で、だけどどこか真剣そうな感じもするかもしれない
そんないつもと違う雰囲気に思わずドキッとしていられない
確かにけんくんは私にプロポーズ発言をしてから毎日会いに来た
そしてストレートで甘すぎる言葉を私にくれた
私もその言葉にドキドキした
けどそれはたぶん、けんくんだからではないと思う
ただ、男子にそんな言葉を言われたことがなくて免疫がなかっただけ。
もしかしたらけんくんじゃない人に言われてもドキドキしたかもしれない
だから、私がけんくんに対して思う気持ちはきっと――――
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