年下くんの策略




でも立って寝たらきっと足痺れちゃうよー


「けんくーんっおーきーてーっおーーーい」


けんくんの顔の前で手を振る


「けーんーくーん」



ゆらゆらとけんくんの体が揺れ、目がゆっくり開かれる

ぱちぱちと瞼が動き
私と目が合った瞬間目が大きく開いた



「おはよっ」

「っ…お、おはようございます」


けんくんはもたれ掛かってた背を正し、肩からずれ落ちたリュックを元に戻す


「こんなとこで寝てちゃだめだよー」

「すみません。ゆいか先輩待ってたら寝ちゃってました」

「私待ってたの?」

「はい」



昨日は教室まで来たのに、今日はここで待つとか
よくわからないなー


「先輩と一緒に帰れるか、聞こうと思って」

「そのためだけに?」

「はい」


真面目に答えるけんくん

何だかそんな様子を見てたらちょっと笑えてくる


「ぷっははっ」

「どうしたんですか?」

「だって、今日の朝メアド交換したからアドレス知ってるはずだから、メールすれば良かったのにって思ってさ」


「あ」


今更そのことに気づいた様子


やることがいちいち健気だなーっ


昨日は名前を言いに教室まで来て
今日はメールで出来ることをわざわざ直接聞きに来たなんて、健気だよ