すごく悲しいのに…なんか情けなくて涙も出ない。
「……………」
『はい』
「……………」
『…もしもし?』
「……………」
気づいたら、受話器を握り…
『……………』
「……………」
『……ユカ?』
「……よくわかったね」
タケルに電話をかけていた。
『なんだよ、無言電話か?』
「……………」
『…おい、どうしたんだ?』
「あ…タケル…元気?」
『…ああ』
「……………」
『…?』
「ユカちゃん、にんじんも持ってくだろ?」
「あ、ありがとうございます」
おばあちゃんが戻ってきて、受話器も置いた。
…結局タケルに何も言えなかった。
おばあちゃんのところから帰ろうとしたものの…
なんだか体がすくみ…
「すみません…」
「いいんだよ。どうせわたしもひとりだし、今日は飯がうまいよ。はははー」
厚かましくもおばあちゃんちにしばらく泊まらせてもらうことにした。
今ごろはまた加藤が別荘に来ているだろう…。



