「・・・うぅ、こ、ここは・・・?」
   

   薄く開いた目の隙間から赤い街が見える
   その街は元々赤いというわけではない
   燃えているのだ
   何故かはわからない
   とにかく逃げなきゃ!
   そう思っていても足が動かない


「な、なんで・・・?」


   いくらあがいても体は言うことを効かない
   人々は悲鳴をあげて逃げまどう
   助けてあげたいけど動けない


「く、そっ!」


   なんで動かないんだ・・・!
   そう思ったとき、俺の前に馬に跨った男の陰がかかった
   光の逆光で顔は見えないが何故かこの男には近づいちゃいけないと俺の脳   がサイレンを鳴らしていた
 
  ・・・逃げなきゃ!

   だが、体は相変わらず言うことを効かない
   俺があがいている間に、男はスッと手を挙げる
   すると、辺りは真っ暗になり急に意識が遠くなっていった・・・