「ここが、花苑(ハナゾノ)学園―…」



真っ白に塗られた大きな校舎。


見上げる程に高い門。


サラサラと流れる噴水の音。



まるで、全てが別次元にあるような心地までしてしまう。



―けど、私も今日からこの学園の生徒何だ。



ここ、花苑学園は都内でも上位を争う進学校でもありお金持ちが通うセレブ校なのだ。



貧乏で、毎日スーパーのタイムセールをチェックしてるような私とは天と地の差がある。



こんな私が花苑学園に通えたのもあの1ヶ月前の出来事がきっかけだった。



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「バイトが、ない…」



フラフラとした足取りで手に持った紙に×印をつけていく。



家から近くて、時給も高い。そんな夢のようなアルバイトあるとは思わないけど…



バイト先に向かう交通費は最小限に抑えたい。



けど、時給は高くないと困る。必要な金額が集められないから。



だから私は、毎日毎日スーパーやらに面接を受けにいっていた。



けれど、高校生という理由で尽くダメになっていた。



あぁ、早く大人になりたいよ…