―――――三十分後。
「・・すみませんでした」
「・・・」
謝ったって許すもんか。
乙女に「重い」とは、一生の心の傷だ。
「千広先輩?」
やけに心配そうに
私の顔を見てくる隆馬。
・・・もう許すしかないじゃん。
「もう良いよ・・」
「まじすか!?良かったぁ、
んじゃ、帰りましょうかー」
隆馬は再びおんぶの体勢へ。
「おんぶはヤダ」
「えー、まじすか、
じゃあ肩持ちますっ」
「良い、大分回復したし、
ゆっくりなら歩けるもん」
私は足を引きずり気味に歩き出した。
「・・・あ」
少し先に、
見覚えのある人と目が合った。