「わー、混んでる」



人が込み合う中、
金魚すくいや輪投げなんて

やっている暇なかった。



「千広先輩、大丈夫ですか!?」

「へ・・平気」
(平気じゃねーよ・・)



運動不足のためあまりに体力がなく、
人混みを歩いただけで

歩くのがやっとのフラフラ状態。



「・・ぅひゃっ」



ついにヒールが悲鳴を上げ、
折れてしまった。




倒れそうになったのを、
隆馬が上手くキャッチ。



「千広先輩、大丈夫ですか?」

「む・・無理」



私は涙目で訴えた。



「た・・・助けて~」



足が痛い。
もう歩けない・・。


情けないな、私。