「ママ〜!!」
中学生になった娘、円(まどか)が叫んだ。
電車を降りて円の入学する中学校に歩き始めた。
徳永冴子(とくながさえこ)は正門にある桜を懐かしそうに見つめた。
「ママ、何してるの?梨花(りんか)が講堂で待ってるから早く!」
円の声に冴子は講堂に向かった。
懐かしいー。
冴子にとってここは今でも大切な友達を作った場所。
母校だった。