「でも、こういうことって急ぐことじゃないし、好きだと思えば思うほど、どうしても大切にしたいっていう気持ちが勝っちゃうって言うか、瑞希が甘えてくれたり、嬉しそうな顔見せてくれたりすると、可愛くて仕方ないから、抱きしめてるうちに胸がいっぱいになっちゃうって言うか.....。」

「.....うん。」

「まぁ、俺に男っぽさとか勇気が足りないのが、一番悪いんだけどさ。」

「ううん......私こそ、ごめんね。変なこと言って。」

「いや、変なことじゃないよ。」

「直紀は、私のこと、大切にしてくれてるだけなんだよね。なのに、私、焦ってバカみたい.......。」



直紀が頬にキスして、私を包み込むように抱きしめる。

その動作には、「愛しい」っていう気持ちが溢れている。

そうされていると、ものすごく安らぐから、私たちに一番必要なことは、今はまだカラダの関係よりも心の繋がりなのかなぁ.....なんて思い直す。