そうしたら、直紀はいつもみたいに私を抱きしめて、愛おしそうに頭を撫でてくれた。

悔しいけど、何かホッとする。

この感覚って、何なのかな?

優しくて、温かくて、安心して.......

「妹扱い」は嫌だけど、無意識のうちに「お兄ちゃん」みたいに頼っちゃってるのかも。



でも、今日は直紀に絶対に言おうと思っている言葉がある。

私なりに、覚悟を決めて来たつもりだ。

言った後どうなるのかは、全然見当つかないけど.......



「ねぇ、直紀は私のこと、好き?」

「好きだよ。って言うか、大好きに決まってるだろ。」

「ほんと?」

「ほんと。」

「じゃあ、私のお願い、聞いてくれる?」

「何だい?」

「.....今日は、帰りたくない。」

「.......。」