それは一年前、私が初めて責任者を務めた「ギフトショー」でのこと。

私より若いであろうイベント会社の担当者は、意識して作っている訳ではなさそうなのに、妙にフェロモンを漂わせた男の子だった。



今まで私の周りにはいなかったタイプ。

一見、無表情でぶっきらぼう。

これはちょっと苦手かもしれない..........



だけど、そんな不安を感じ始めた瞬間、彼はニッコリ微笑むと、先に口を開いて、思いがけない言葉を放った。



「きれいな名前ですね。美しい希望で美希さんなんだ。」

「え? あぁ、はい。」

「覚えちゃった。」

「.......?」



彼は私の名刺を見ると、やんちゃな子供みたいに笑って、そう言った。
 
え? 何、それ?

最初からそう来る?

完全に、意表を突かれた..........