seven kisses

次の日から、四年生の先輩方は、あまり練習に出て来なくなった。

プロから声がかかっている大浦先輩を除いては。



ケガをしている拓巳先輩は、当然休養中で、あれから一週間以上、顔を合わせていない。

拓巳先輩のいないグランドは、妙に広くて、淋しくて、何だか別の場所みたいだ。

部活中もマネージャーの仕事がいろいろあるのに、ついついボーっとしてしまう。



「お嬢さん、いい加減、素直になった方が良いんちゃいますか?」



耳元で、囁く声が聞こえる。

ハッとして振り返ると、大浦先輩だ。



「なっ、何をですか!?」

「わかってるくせにぃ。」

「え? あ.......。」

「ま、あいつもだけどね。」

「..........。」