拓巳先輩は、スタジアムを出ようとしている所だった。
声をかけていいのか迷うくらい、寂しそうな背中だ。
それでも勇気を出して、スタジアムの外の人影のない場所にある柱の影に、隠れるようにもたれかかる先輩に近付いて行った。
すると、落胆した様子で宙を見つめていた先輩は、私に気付いた瞬間、黙ったまま、すがるように抱きしめた。
即座に心臓がドクンと音を立てたけど、先輩のやり切れない気持ちを思ったら、それは不思議とすぐに鎮まって、私も自然と先輩の背中に手を回していた。
多分、ドキドキとか、そんな感情より、とにかく先輩の辛さを静かに受け止めてあげたかったから。
わかってあげたい、支えてあげたい、慰めてあげたい..........
そう思ったから。
声をかけていいのか迷うくらい、寂しそうな背中だ。
それでも勇気を出して、スタジアムの外の人影のない場所にある柱の影に、隠れるようにもたれかかる先輩に近付いて行った。
すると、落胆した様子で宙を見つめていた先輩は、私に気付いた瞬間、黙ったまま、すがるように抱きしめた。
即座に心臓がドクンと音を立てたけど、先輩のやり切れない気持ちを思ったら、それは不思議とすぐに鎮まって、私も自然と先輩の背中に手を回していた。
多分、ドキドキとか、そんな感情より、とにかく先輩の辛さを静かに受け止めてあげたかったから。
わかってあげたい、支えてあげたい、慰めてあげたい..........
そう思ったから。

