seven kisses

「もうとっくに別れたよ。でも、拓巳、全然普通だったでしょ?」

「..........。」

「拓巳が好きなのは私じゃなくて、梨絵ちゃん。多分、だいぶ前から。私、何となく気付いてたから、悔しくて、また意地悪しちゃった。ごめん。」

「うそ.......。」

「こんな非常事態に嘘つかないってば。最後くらい、私にも健気な元カノらしいことさせてよ。」

「優美先輩......。」

「いいから、早く行ってあげなよ。」

「.......はい。」



ヒョコヒョコ歩きだから、まだそんなに遠くに行ってないはず。

私は必死でスタンドの階段を駆け下りると、拓巳先輩の背中を探した。