seven kisses

でも、その願いは叶わなかった。

大浦先輩が入れたゴールが、うちの大学の唯一の得点。

2ー1。

シード校だから二回戦での敗退。



小回りの効く拓巳先輩がいれば、試合の流れが変わったかもしれない。

大浦先輩だって、慣れたコンビである拓巳先輩からのパスの方が、やりやすかったに違いない。



拓巳先輩が唇を噛み締め、足を引きずりながらスタンドを去っていく。

心配で目が離せないでいると、優美先輩が私の背中を押した。



「行ってあげなよ。」

「え? でも......。」

「わかんないの? 梨絵ちゃん、バカ?」

「.........。」