seven kisses

大学の門からグランドまでは、結構な距離がある。

慣れない松葉杖でヒョコヒョコ歩く先輩の袖を引っ張って、思い切って言ってみた。



「先輩、少し休みましょう。」

「.......うん。グランド行っても、何も出来ないしな。」



放課後になるとあまり人通りのない場所にある木陰のベンチに腰掛けたけど、どちらからも言葉が出ない。

慰めてあげたいのに、薄っぺらな言葉じゃ余計に傷つけてしまう気がして怖い。

泣いちゃいけないってわかってても、やっぱりウルウルしてしまう。



先輩の今までの努力はどうなっちゃうの?

誰よりも、誰よりも、いっぱい頑張ったのに......