seven kisses

なのに、信じられないことが起きた。

ゴールの前に高く浮いたボールを取りに行って、何人かの部員と折り重なるように倒れこんでいた拓巳先輩が、立ち上がらない。

痛みに悶え、足首を抱えて転げ回っているようだ。



「おいっ!! 拓巳、大丈夫か!! 」



他の部員を払いのけるように大浦先輩が走り寄り、すごい勢いで拓巳先輩のソックスを下ろしている。

無我夢中で救急箱を持って駆けつけると、拓巳先輩の足首は腫れ上がっていて、スプレーで冷やしながら大浦先輩が触れる度、痛みをこらえる声が漏れる。

一人で歩くことも困難な状態で、明らかに明日の試合は無理だろう。



こんなことって、こんなことって、こんなことって..........!!

神様は意地が悪すぎる。