seven kisses

先輩を傷つけたくないから、優美先輩のことはやっぱり言えない。

だから、自分の気持ちも、まだハッキリとは口に出せない。



言えなくて苦しいから、せめて独り占めしている今だけは、甘えさせてもらっていいですか。

それくらいのわがままなら、バチは当たりませんよね.......



「先輩.......もう一回、ギュってしてもらっていいですか?」



ドキドキしながら言った精一杯の言葉。

これで思いが上手く伝わるといいな........



先輩は柔らかく微笑んで、私を抱きしめた。

嬉しくて、また泣いちゃったけど、先輩は黙ったまま、ずっとそうしていてくれた。



シーンと静かで寒いホームで、そこだけは、しばらく時間が止まったみたいだった..........