seven kisses

聞きたいことはたくさんあるのに、頭の中でグルグル回るだけで、一言も話せない。

先輩と目を合わすこともできない。

春先の夜のホームはまだ肌寒くて、握られた手のひら以外が、だんだん冷たくなっていく。



それでも幸せだから、ずっとこのままでいたいけど、そういう訳にもいかない。

どうしようかと思い始めた頃、先輩の手がほどかれ、その手が私の肩を抱き寄せた。



音が聞こえそうなくらい、心臓がバクバクしている。

先輩、本当に、今日はどうしてそんなに優しくしてくれるんですか..........



嬉しいのと、愛しいのと、切ないのと、苦しいのと、悔しいのと、もどかしいのと.........

口に出せないいろんな思いがグチャグチャになって、大粒の涙が溢れ出す。